2005 Fiscal Year Annual Research Report
そろばん格子CIP法による日常生活内の任意物性・形状物体がある時の電磁波解析
Project/Area Number |
17760066
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
尾形 陽一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (10323792)
|
Keywords | CIP法 / そろばん格子 / 電磁波 |
Research Abstract |
1.研究内容 双曲型方程式の数値解法である矢部によって提案されたCIP法(Cubic Interpolation Polynomial (Yabe,1985))と、CIP法に適した解適合格子であるそろばん格子(Yabe et.al,2004)を用いて日常生活内における任意物性・複雑形状物体がある時の新しい汎用的電磁波解析手法を確立する。また、液体等の分散性物質・磁化フェライト等の異方性物質にも拡張を行い、最終的にはMPIによるそろばん格子での大規模並列計算を行う。例えば日常的に最も我々に関連する電磁波の人体への影響は、人体自身の分散性と携帯電話等に代表される複雑形状機器が関連する課題であり、FDTD法に代表される差分法より計算精度の高いCIP法の適用と、境界適合格子の様な座標変換を一切用いない(=計算精度が低下しない)そろばん格子による解析は、他の研究例において流体力学等への応用も既に成果を収めつつあり、今後の電磁波解析の発展にも寄与が期待される。 2.本年度の研究実績 (1)3次元シミュレーションコードの開発 Maxwell方程式に対してCIP法が直接適用可能となる様に、特性曲線法と方向分離法を用いて任意物性の誘電体・金属がある場合の電磁波解析手法を確立し、本年度は直交格子の場合においてMPIによる並列化を行った。次に(単体コードに於いて)メッシュフリー的な格子配置が可能なそろばん格子を用いる事で従来の差分法では困難であった、複雑形状を持つ物体に合わせた格子が配置可能な3次元手法を確立した。 (2)実用性・有効性の確認 計算精度・位相誤差等、本手法の数値計算上の基礎的特性、多次元問題における解析解との比較等を最も良く用いられているFDTD法と行いその優位性を確認した。また、そろばん格子を用いて物体境界近傍に格子を集中させる事で数値解の精度向上に成功した。
|