2005 Fiscal Year Annual Research Report
超大規模な最適化問題に対する行列補完を用いた準ニュートン法に関する研究
Project/Area Number |
17760068
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山下 信雄 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (30293898)
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Keywords | 数理計画問題 / 準ニュートン法 / 大規模 / 正定値行列補完 / スパース構造 / 超1次収束 |
Research Abstract |
1,大規模な最小化問題に対するスパース構造を利用した準ニュートン法の超1次収束性の証明 BFGSなど一般的な準ニュートン法によって更新される近似ヘッセ行列は密な行列となるため,準ニュートン法は大規模な最小化問題に適用することができなかった.つい最近,行列の正定値補完と目的関数のヘッセ行列のスパース構造を利用することによって,少ないメモリーで実装できる準ニュートン法が提案され,数値実験より,その有効性が示されていた.しかし,そのアルゴリズムの収束の速さは理論的に解明されていなかった.今年度の研究において,一般的な準ニュートン法が超1次収束する条件のもとでも,スパース構造を利用した準ニュートン法が超1次収束することを示した.この結果,スパース構造を利用した準ニュートン法の高速性が理論的に保証され,大規模な問題への活用の道が開かれた. 2,制約つき最小化問題に対するスパース構造を利用した準ニュートン法の提案 これまでの大規模な制約つき最小化問題に対しては,準ニュートン法による近似ヘッセ行列が使えなかったため,信頼領域法に基づいた技術によって大域的収束性を保証していた.しかし,信頼領域では,部分問題として複雑な問題を解かなければならないため,アルゴリズムが煩雑になりやすく,理論的な収束性の解明が難しい.そこで,制約なし最小化問題に対するスパース構造を利用した準ニュートン法を制約つきの最小化問題に拡張したアルゴリズムを提案した.数値実験より,提案アルゴリズムの有効性を確認した.
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