2005 Fiscal Year Annual Research Report
微小領域における高密度渦電流の形成とナノ構造の電磁気特性評価
Project/Area Number |
17760072
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
燈明 泰成 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50374955)
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Keywords | 機械材料・材料力学 / 走査プローブ顕微鏡 / マイクロ・ナノデバイス / 磁性 / 渦電流 |
Research Abstract |
平成17年度は申請時に計画した研究を遂行し、以下のような研究実績を得た。 1.超音波振動はりの実現 超音波振動モードを有する導電性はりを作製した。n型Siカンチレバーに10nmのTiをスパッタリングにより成膜した後、さらにPt層を同じくスパッタリングにより約100nm成膜することで所望の導電性はりを得た。試作したはりの振動状態を走査プローブ顕微鏡により確認したところ、本導電性はりの共振周波数は約0.27MHzであった。Si基板上に作製した幅10μm、高さ100nmのAu細線上に本導電性はりを上置し、細線の通電下(30mAの直流電流)と非通電下において配線周辺におけるはりの振動状態を観察したところ、配線端部において局所的にはりの位相が変化し、本導電性はりに渦電流が形成されたことを確認した。また、本導電性はりの極微小領域に形成された渦電流に起因するはりの位相変化が、通電量に依存することを見出した。一方、本導電性はりの先端を微細加工しSiを露出させた場合は、配線上における静電力が支配的になることを見出した。さらに、マイクロプローバー、コンピュータ制御超音波パルサー・レシーバ等から確認した渦電流形成原理に基づく独自の計測システムの構築に着手した。 2.渦電流形成の理論モデルの構築 導電性はりを磁性対象上で超音波振動させた際に、はり導電層に形成される渦電流に着目して理論モデルを構築した。1での実験観察に基づき、はり振動方向と直交する磁束の時間変動により、はり導電層に生じる渦電流を定式化し、この渦電流と磁場との相互作用を求めた。さらに、弾性理論に基づくはりの解析により、渦電流と磁場との相互作用による、はりの位相変化を導出したところ、本理論モデルは実験結果と良好に一致した。
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Research Products
(3 results)