2006 Fiscal Year Annual Research Report
厚肉構造部材内部に存在するき裂の高精度サイジング手法と損傷モードの推定法の開発
Project/Area Number |
17760074
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
水谷 義弘 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 特任助教授 (40337879)
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Keywords | 構造健全性評価 / 非破壊検査 / 超音波探傷試験 / き裂寸法測定 / 損傷モード判定 / TOFD法 / 信号処理法 / ウェーブレット変換 |
Research Abstract |
2003年10月の法規制改正に伴い,本邦の原子力発電所では損傷が発生した場合でも構造健全性に問題がなければ継続運転が認められることになった。構造健全性評価では,超音波試験によって欠陥検出と寸法測定が行われ,運転条件と発生場所,過去の事例の情報を鑑みて損傷モード(応力腐食割れor疲労き裂)を決定し,その損傷モードの進展速度線図を用いてき裂の進展予測が行われる。初年度の研究では,欠陥寸法測定精度向上に関する研究を行い,3つの新しい検査手法を開発した。 本年度の研究では,昨年度開発した検査手法のさらなる高度化と原子力発電設備の配管等で発生した損傷の損傷モード(応力腐食割れor疲労き裂)を,超音波試験で得られる超音波波形の散乱特性を解析することによって推定する方法を開発することを目的として実施した。 <年度前半> 過去の損傷事例を調査し,損傷モード(疲労き裂とSCC)ごとのき裂性状の特徴を調査してデータベースを構築した。その後,代表的なき裂性状についてき裂周りの超音波散乱の様子を超音波シミュレーション(差分法によるシミュレーション)し,超音波試験によって損傷モードを判定する手法を検討した。また,年度後半に必要となるSCC入り試験片の作成を試みたが、SCCを導入することができなかった。 <年度後半> 昨年度構築したパルス圧縮技術を併用したTOFD法の更なる高度化を目指し、パルス圧縮に使用する入力信号の最適化、受信信号の解析に使用するマザーウェーブレットの最適化を行った。 また、SCCの導入法に関する情報収集を行い、詳しい情報を得ることができた。平成19年度にはSCCを導入した試験片を製作し、シミュレーション結果とあわせて損傷モードの判定法を検討する予定である。
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