2005 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫飛行の流体構造連成解析モデリングとその実験的検証
Project/Area Number |
17760088
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
石原 大輔 九州工業大学, 情報工学部, 講師 (80363399)
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Keywords | 昆虫飛行 / スケール拡大模型 / 一体型解法 / 流体構造連成 / 有限要素法 |
Research Abstract |
本研究においては昆虫飛行の流体構造連成解析モデリングとその実験的検証を行う.平成17年度においては,以下の研究を実施した; 1 翼の受動的回転を考慮した昆虫飛行の流体構造連成モデルの提案 従来の昆虫飛行モデルにおいては,剛体翼が能動的に並進・回転運動するものであった.一方,ハエ目の解剖学的研究から翼基部がねじりに対する高いコンプライアンスを有することが明らかにされている.そこでハエ目を主な対象として,従来の昆虫飛行モデルを拡張し,流体構造連成に基づく翼基部の受動的回転を考慮した新しい昆虫飛行モデルを提案した. 2 上記モデルの妥当性を数値的に検証するためのシミュレータの開発 上記モデルを数値的に検証するためのシミュレータを開発した.解析手法に流体と構造の方程式を同時に解く一体型解法を利用しているため,昆虫飛行のような羽と周囲流の強い相互作用も安定して解くことが可能である.また有限要素法に基づくため,上記モデルのシミュレータ内での表現の自由度が高く,様々なタイプの昆虫飛行をシミュレートできる.平成17年度においては,本シミュレータを用いることで,Dickinsonらのスケール拡大模型実験との比較に基づき,揚力や翼の運動の基本的妥当性を2次元の範囲で確認し,本モデルが昆虫飛行を合理的に説明できるモデルである可能性を示すことができた. 3 上記モデルの妥当性を実験的に検証するためのスケール拡大模型実験装置の開発 上記モデルの妥当性を実験的に検証するためのスケール拡大模型実験装置の開発を行った.本装置は基本的にはDickinsonらのスケール拡大模型実験装置を拡張し上記モデルに対応して翼を弾性翼としたものである.
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