2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17760094
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
來海 博央 名城大学, 理工学部, 助教授 (30324453)
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Keywords | ナノ / 応力分離 / 応力解析 / 顕微ラマン分光法 / ラマンシフト / 結晶方位 / 測定理論 / アルミナ |
Research Abstract |
本年度得られた実績の主な内容を以下に示す. 【1】材料のナノ領域のひずみ(応力)測定を高精度に行うためのゴニオを製作した.ゴニオは,手動によるXYZ軸方向の粗動,XY軸のミクロンオーダーでの粗動(電動式),xyz軸方向のナノオーダーの微動(電動式),さらにxyz各軸回りの回転(手動式)で構成されている.さらに,このゴニオに製作した四点曲げ負荷治具を組合わせ,高精度ひずみ(応力)測定用ステージを作製した. 【2】アルミナのナノレベル微小領域における応力成分の高精度測定のための理論展開を行った.シュレディンガー方程式を出発点に,ひずみ(応力)作用下における原子(分子)の振動エネルギーの変化とひずみエネルギーの関係から,ラマンシフト量とひずみ成分の関係を誘導し,20個の未知定数を,理論的あるいは実験的に決定することで応力成分の同定が可能である事を明らかにした.この未知定数を実験的に決定するために必要となる検量線,特に単結晶アルミナの結晶方位を4つ決定し,アルミナのラマンシフトでAlgとEgモードの7つのピークから6つのピークを選択する事で実現可能であることを明確にした.また,シリコンについても応力測定の可能性を明確にした. 【3】【1】で製作したステージを用いて,既に実現していたアルミナ単結晶材料の一軸応力測定から高精度化を図るため,未知定数を高精度で決定し,一軸方向のひずみ測定の高精度化を実現した. 【4】材料(アルミナ)の結晶方位測定の高精度化を実現するために,アルミナ単結晶の結晶方位とラマン強度との関係の理論式を誘導した.理論展開により,結晶方位を一義的に定義するオイラー角(ψ,φ,χ)を全て同定できることを証明し,その実現の可能性を明確にした.検証実験として,三つの角度の内,二つの角度(ψ,φ)については,EBSP法により決定された結晶方位とほぼ一致する結果が得られた.
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Research Products
(2 results)