2006 Fiscal Year Annual Research Report
Siおよび次世代半導体基板材料の無欠陥加工メカニズムと最適加工環境・条件の解明
Project/Area Number |
17760099
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
清水 淳 茨城大学, 工学部, 講師 (40292479)
|
Keywords | 半導体材料 / 研削 / 引っかき / 砥粒 / ダイヤモンド / セリア / 分子動力学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、半導体基板の無欠陥加工メカニズムおよびそのための最適加工環境と加工条件を明らかにすることである。手法として、砥粒材質・形状はもとより、加工環境・条件を広範に変化させて検討可能な微視的加工実験およびそれに対応する分子動力学シミュレーションを行なう。 平成18年度の検討項目および得られた成果を以下に示す。 (1)鋭利なダイヤモンドおよびセリア砥粒を用いたナノ引っかき実験 先端半径100nm程度の鋭利なダイヤモンドとセリア砥粒を用い、大気、真空、高温環境下において、主にSi基板を対象としてナノ引っかき実験を行なった。その結果、鋭利なダイヤモンドを用いた場合、環境による引っかき痕の形態に大きな差は見られず,引っかき痕として比較的明確にプローブの形状が転写されることがわかった。すなわち、ダイヤモンド荒加工において加工能率を上げるには、先端の先鋭化が有効であることを明らかにした。セリア砥粒によってナノ引っかきを行った場合、商用的に利用されている化学機械的研磨面と同等な仕上げ面が形成されることを明らかにした。 (2)化学作用を模擬した3次元分子動力学シミュレーション H17年度に構築したモデルにおいて、砥粒-Si基板間およびSi表面のSi同士の結合を原子間ポテンシャルパラメータによって制御することにより、物理化学的作用、化学物理的作用を模擬し、Si基板のナノ引っかきの分子動力学シミュレーションを行なった。その結果、砥粒-基板間の接近に伴い、Si基板表面の結合が弱まるポテンシャルを採用したシミュレーションにおいて、加工後の表面欠陥が最小化されることが判明した。この現象は、セリア砥粒によってSi基板をナノ加工した際の実機実験結果と類似している。よって、本シミュレーションの化学作用援用加工現象解明への有効性が示された。
|