2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17760111
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
都丸 隆行 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 超伝導低温工学センター, 助手 (80391712)
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Keywords | 精密研磨 / 精密計測 |
Research Abstract |
本研究は、研磨粒子の形状がどのように被研磨面に影響を与えるかを評価する事を目的とする。本年度の研究では主として研磨機の整備、研磨粒子の分級、研磨基板の初期粗さ計測を行った。 まず、研磨機の整備については、本機構・機械工学センターで所有する研磨機(Struers, RotoPol-11)を利用することとし、超純水による徹底した洗浄を行った上で、自作したクリーンブース内に設置した。 研磨粒子に関しては、精密研磨に最も適するシリカ微粒子を用いることとし、アドマテックス製真球状微粒子と林化成製破砕微粒子を採用した。これらの研磨粒子は平均粒径および粒度分布が一致していないため、直接比較検討できるように分級処理を行い、研磨粒子の合わせ込みを行った。分級処理はホソカワミクロン(株)に発注し、レーザー式粒度分布計を用いて平均粒径および粒度分布の計測を行った。この結果、平均粒径0.5μm、2μm、3μm、10μmの4サイズの研磨粒子をそれぞれ得ることができ、粒度分布もよく一致させることが出来た。 研磨基板に関しては、光学研磨されたφ30×5mmの単結晶サファイア基板と単結晶シリコン基板を採用した。研磨粒子による被研磨面への影響を正確に評価するためには、基板表面の初期状態を調べておく必要があり、初期基板表面粗さの計測を行った。計測には神戸大学工学部の協力を得てZYGO New View 6000を用いた。計測した空間波長はおおよそ0.1μm〜50μmであり、研磨粒子の平均粒径範囲を十分カバーすることができた。測定の結果、サファイア基板ではおおよそ50nm_<PV>、シリコン基板ではおおよそ20nm_<PV>の粗さを持っていることが分かった。 現在はこれらの計測結果に基づいた基板の最適な研磨条件を検討しているところであり、まもなく研磨実験を開始できる見込みである。
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