2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17760113
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菊池 武士 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (10372137)
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Keywords | ER流体 / 選択的研磨 / 液晶 / パターン電極 |
Research Abstract |
電場で粘性が制御可能な流体を電気粘性流体(ER流体)と言う.このER流体に研磨砥粒を混合したスラリー(ERスラリーと呼ぶ)を用い,電場を印可しながら研磨を行なうと研磨効果に差が見られることが先行研究で知られていた.本研究では,片側電極パターンを用い,電場印可を片面にて行なうことで絶縁物への適応も可能なER流体援用研磨法に関する研究を行なった.具体的には,まず,砥粒を混合していない状態のER流体に対して片側電極を用いた場合の粘性特性に関して調査を行なった.高分子液晶系ER流体に対する片側電極上での粘性特性は先行研究で知られていたが,本研究では新たに低分子液晶に関しても同等の実験を行い,低分子液晶の電気粘性特性が片側パターン電極上でも発現すること,その特性が電極パターンに依存すること,非常に低速領域では電場の有無による粘性変化率が大きいことを初めて確認した.これらの成果は,今回の研磨を目的とした用途以外にも潤滑制御にも適用できる可能性があることを見出した.また,砥粒の種類(粒径,材質)や充填率によるERスラリーの粘性特性に関しても調査を行なった.砥粒の種類としては主にダイヤモンド砥粒とWA砥粒を用いた.ダイヤモンド砥粒(粒径3-8μm)を用いた実験では,充填率が10wt%,20wt%の場合においてはER流体の粘性変化特性に大きく影響を与えず,研磨制御用スラリーに適応可能であることを確認した.また,30wt%以上の場合には粘性変化効果が減少することも確認された.WA砥粒(#500から#8000)に関しては一様に充填率10wt%の場合はER効果への影響がないが,20wt%以上になると電流の急激な上昇が起こり,研磨への適用が困難であることがわかった.これらの成果で作製されたERスラリーを用いて研磨実験を行い,電場を印可した場合に研磨効率が上昇することが確認された.
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Research Products
(2 results)