2005 Fiscal Year Annual Research Report
PIV法とLIF法の併用によるEHL油膜内の冷媒溶解濃度変化現象の解明
Project/Area Number |
17760116
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 真二 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40313332)
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Keywords | 冷媒 / EHL油膜 / 濃度変化 / LIF法 / PIV法 / 微小流れ場 / イリジウム錯体 / ドットマトリックス |
Research Abstract |
本研究はPIV法(粒子画像流速測定法)とLIF法(レーザ誘起蛍光法)を併用して、HFC系フロンや自然冷媒などの冷媒ガスが溶解した冷凍機油の潤滑下で、ヘルツ接触域近傍の流れ空間の速度分布及びEHL(弾性流体潤滑)油膜内の冷媒溶解濃度を測定し、EHL油膜内の速度場と冷媒溶解濃度分布の関係から、EHL油膜内で冷媒溶解濃度が変化する現象を解明することを目的とする。 今年度は、EHL油膜内の流れ場計測及び冷媒濃度分布測定を行うためのEHL油膜観察用マイクロPIV/LIFシステムの構築を行った。既存の流速計測法であるPIV法は、(1)非常に薄くて高圧なEHL油膜内にトレーサ粒子が入らない可能性が高い、(2)高速度カメラ等の高価な機材が必要、(3)流速を算出する際に高度な画像処理が必要、等の欠点がある。また、濃度測定等に利用されるLIF法は流体に蛍光染料を分子オーダーで溶解させる方法であるために、微小流れ場に適用できる利点はあるが、得られた濃淡画像から速度ベクトルを計測する方法は精度が低く、速度計測には不向きであった。 そこで、本研究では燐光材料であるイリジウム錯体(Ir(ppy)_3)を溶解させた潤滑油膜に、回折格子を通過してできたドットマトリックス状の半導体レーザ光(波長405nm)を照射して、その励起光の光跡をカメラで撮影する計測方法を開発した。各点の励起光の光跡は速度ベクトルそのものであり、高度な画像処理なしで、流体の流れ方向や速度分布を容易に求めることができる。同時に、LIF法による濃度測定も可能である。計測精度はカメラの解像度と流速に応じた発光寿命を有する発光材料を適切に選択することにより確保できる。また、PIV法のような高速度カメラは不要であり、安価な機材で計測できる。 また、本システムを用いて、2×2mmの単純な流れ場を対象にして速度及び濃度分布を計測できることを確認した。
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