2005 Fiscal Year Annual Research Report
乱れ促進体による液噴流の微粒化促進に関する数値解析
Project/Area Number |
17760127
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
柳岡 英樹 弘前大学, 理工学部, 助教授 (40281951)
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Keywords | 界面 / 微粒化 / 液膜 / 乱れ / 周波数応答 / 非定常 / 界面捕獲法 / 数値解析 |
Research Abstract |
本研究では,噴射器内部に乱れ促進体を設置することによる液噴流の不安定化と液滴分裂に関する数値解析を行い,微粒化を促進する乱れスケールを明らかにすることを目的としている.噴射器内部の形状により流れのはく離が発生し,せん断層の巻き上がりによる渦放出,せん断層の低周波揺動などの広範囲な乱れの周波数成分が噴射器内部で出現する.今年度は,乱れによる液膜分裂の微視的特長を捉えるため,申請者が構築した界面捕獲法を用い,一様せん断流中の液膜の不安定化と液滴分裂解析を行った.噴射器内部で出現する代表的な乱れの周波数成分(基本周波数)を与えたときの液膜の周波数応答性を調査した.その結果,以下の知見が得られた. 1 既存の研究と同一条件で計算を行うことにより,界面の変形過程を比較した.線形理論では界面が最も不安定となるウェーバー数において,粘性と表面張力の影響により界面は大きく変形せず,成長と減衰を繰り返す挙動を確認できた.ウェーバー数が増加すると,リガメントが形成され,そのリガメントの先端では表面張力の影響によって流れ方向とは逆方向の引っ張りが生じることを捉えた.このような界面の非線形的な変化は,既存の結果と比較的良い一致を示している. 2 既存の研究と比較して,密度と粘性係数の二流体間の差を大きくとった計算を行った.ケルビン・ヘルムホルツ不安定性により界面が不安定となることを確認した.界面の巻き上がりの要因の一つとなる軽い流体側へのせん断層からの渦放出を捉えることができた.また,ウェーバー数が増加すると表面張力の影響が小さくなり,界面の巻き上がりが生じ,リガメントはより長く引き伸ばされることを明らかにした.
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