2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17760133
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
米村 茂 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (00282004)
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Keywords | プラズマプロセッシング / 非平衡プラズマ / PIC / MCシミュレーション / 粒子モデリング / 衝突断面積 / 数値シミュレーション / マグネトロンスパッタリング |
Research Abstract |
半導体デバイス製造に用いられるプロセスプラズマの粒子シミュレーションのためには,プラズマを構成する電子,イオンなどの荷電粒子や原子,分子,ラジカルなどの中性ガス粒子の間の衝突モデルが必要であるが,衝突断面積などの素過程のデータは決定的に不足している.イオン-原子間衝突は電極付近の強電界で加速されて基板やターゲットに入射するイオンのエネルギーに大きな影響を与えるため基板のエッチングレート,ターゲットのスパッタリングレートを考える上で重要である.また,イオンのエネルギーと運動量を放電ガスに与えるため中性ガス流れを考える上でも重要である.昨年度にアルゴン原子-アルゴンイオン衝突については,イオンのドリフト速度や拡散係数などのスウォームパラメータが実験結果と一致する良好なモデルを構築したが,今年度は,ヘリウム,ネオンについても良好なモデルを構築した.これらのモデルを用いて,直流マグネトロンプラズマの数値シミュレーションを行い,ターゲットに入射するイオンのエネルギー分布を求めたところ,従来のモデルを用いて求めたものと大きく傾向の異なる結果が得られた.従来のモデルではイオン原子間の共鳴電荷交換を過大に見積もっていたため,高電圧シースで加速された高エネルギーイオンが原子に変換され,高エネルギーイオンの数を少なく評価しすぎる結果を与えていたことが明らかになった.この違いをイオンエネルギー分布から求められるスパッタリングレートで比較すると40%も異なっている.このことからも本モデルの重要性が明らかである. これらの成果は国内会議,国際会議で発表報告された.
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Research Products
(5 results)