2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞が混在したマイクロ流れを模擬したリポゾーム固液混相流の可視化計測
Project/Area Number |
17760134
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大石 正道 東京大学, 生産技術研究所, 技術職員 (70396901)
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Keywords | 流体工学 / マイクロ・ナノデバイス / 可視化 / 生体材料 / 固液混相流 / リポゾーム / マイクロPIV / ドラッグデリバリー |
Research Abstract |
本研究では、マイクロ流体デバイス内を流れる生体細胞を含んだ流れを調べるため、生体細胞を模擬したリボゾームを用いた固液混相流に注目し、共焦点マイクロPIV(PIV : Particle Image Velocimetry)を発展させた可視化計測手法によって、生体細胞を含むバイオ混相流の流動解析への足掛かりとすることを目的としている。以下に平成18年度における成果を述べる。 (1)マイクロ混相流を定量的に計測できる装置の開発 固液もしくは液液混相流の流動現象は各相間の相互作用により非常に複雑となる。それらを定量的かつ同時に観察・計測できるシステムを開発した。従来からある共焦点マイクロPIVをマルチカラーに対応させ、各相に異なる蛍光波長特性を持つ蛍光粒子を混入することにより、双方の挙動の同時可視化計測を行っている。前年度で波長分離光学系を構築したが、本年度では波長分離後の画像に適した光学フィルタおよび蛍光粒子の開発を行った。その結果、固液混相流として流動場におけるアルギン酸ビーズの挙動解析、また水-油の液液混相流の同時可視化計測を達成した。 (2)可視化計測用マイクロリポゾームの生成技術の確立 本研究で開発した計測システムで対象としているマイクロサイズのリポゾームは生成が難しく、さらに、計測に必要な蛍光粒子の内包、実験の再現性を実現するための均一性が要求されるため、開発は困難であった。均一性に関しては新たにBlow bubble法が開発され、そこに蛍光粒子を混ぜ込む手法を検討中である。並行して、生体細胞を模した別の材質のビーズにも注目し、アルギン酸ビーズ、液滴、UV硬化樹脂ビーズなどを開発し、計測とシステムの精度検証を行った。また、実際の赤血球を染色したものも本システムで計測可能であることを確認した。
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Research Products
(3 results)