2005 Fiscal Year Annual Research Report
病変を伴う小動脈内の血流と血球同士の干渉による特異流動
Project/Area Number |
17760137
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
石川 拓司 福井大学, 工学部, 助教授 (20313728)
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Keywords | ストークス流れ / 血液細胞 / 流体力学的干渉 / 数値シミュレーション / ストークス動力学法 / 血流 |
Research Abstract |
赤血球モデル同士の干渉を表現する数値解析モデルの開発 これまでに申請者が開発した数値解析手法は単一赤血球の変形と応力極(Stresslet)を表現できるため,ヘマトクリット値(体積分率)が低い希薄溶液を取り扱うことができる.しかし実際の血液のヘマトクリット値は40-50%と非常に高く,赤血球同士が結合してルーロー(連銭)を形成するなど複雑な挙動を示すため,赤血球同士の干渉を表現することは実際の血流を取り扱う上で非常に重要なステップである.そこでBradyらが剛体球の濃厚サスペンションを対象に開発したStokesian Dynamics Simulationの手法を赤血球モデルに適用し,赤血球の濃厚溶液である血液の数理モデル化を行った.この手法では,遠方の流体力学的干渉を細胞表面の応力をモーメント展開して表現し,近距離の干渉は境界要素法で2体干渉のデータベースを構築し,計算時にそれを随時参照する.この手法を用いて細胞溶液のレオロジー特性を調べた成果を,11に記す国際会議で報告した.研究成果は更に上がっており,平成18年度も幾つかの学会で講演発表を行う予定である。 模擬赤血球同士の干渉挙動の可視化実験 数値解析手法の精度を検証するため、赤血球同士の干渉実験を計画している.本年度は,細胞同士の流体力学的な干渉を調べる予備実験が終わった段階である.次年度は本実験に移り,多くのデータを収集して解析結果との比較検討を行う予定である.
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