2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ流路内における流体混合反応および気液間物質移動に関する研究
Project/Area Number |
17760140
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 靖仁 京都大学, 工学研究科, 助手 (40346078)
|
Keywords | マイクロチャネル / 流体混合 / 化学反応 / 振動 |
Research Abstract |
これまでの研究から小型振動モータを用いた機械的振動を利用してマイクロ流路内流れに流速変動を起こす流体混合反応促進手法が極めて有効であることが明らかになった.しかし,これは流体として水を用い,また流入させる流量比は1:1の場合であった.そこで,本手法の応用性を明らかにするために,流路に流入させる流体間の流量比を,シリンジポンプ(本研究費で購入)で1:1から1:10程度まで変化させ,また,供給総量自体も変化させた.さらに,マイクロ流路(本研究費で購入)の大きさも,断面一辺を100ミクロンから500ミクロン程度まで変化させて実験を行った.さらに流体として,水とは密度や粘度が異なるグリセリンやPVAなどの有機溶液を用いて実験を行った.流体の瞬間速度分布の測定にはマイクロPIV(粒子画像流速測定法)を,瞬間濃度分布の測定にはLIF(レーザ蛍光法)を用いた.流体の速度測定を行う場合には,流体にトレーサ粒子を混入した溶液を,濃度測定を行う揚合は,蛍光物質であるローダミンを混入した溶液を用いた.実験の結果,本手法は流量比が1:1の場合のみならず,1:10程度の場合にも極めて有効であることが明らかになった.また,流路の断面一辺が100ミクロンと500ミクロンの場合に対して実験を行ったが,いずれの場合にも,本手法により流体混合反応が大きく促進された.ただし,流入させる流量が大きな場合には流体混合はあまり促進されなかった.一方,流体として水の5倍の粘度を持つグリセリン水溶液を用いた場合には,界面の揺らぎは見られるものの,流体混合はほとんど促進されなかった.この場合には本手法によって誘起された流体速度変動も小さかったことから,より強い振動を与える必要があると考えられる.
|