2005 Fiscal Year Annual Research Report
作動流体の圧縮性を考慮したキャビテーション不安定現象の解析
Project/Area Number |
17760141
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀口 祐憲 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (60314837)
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Keywords | キャビテーション / インデューサ / 圧縮性 / 旋回キャビテーション / キャビテーションサージ |
Research Abstract |
ロケット用ターボポンプインデューサに生じるキャビテーション不安定現象に対する流体の圧縮性の効果を調べることを目的として、作動流体の圧縮性を考慮した、2次元平板翼列に生じるキャビテーションの有限ピッチ解析モデルの構築に取り組んできた。 西山らが提案した、圧縮性流れに対する亜音速吹き出しとy軸正方向に軸を有する圧力二重吹き出しを用いて2次元平板翼列回りの定常流れ解析を行った結果、マッハ数が大きくなると、各翼のキャビティが長くなることが判明した。これは、マッハ数の増加に伴い、キャビティ表面上の流速が増加することに起因することがわかった。本結果は2006年3月17日に開催される日本機械学会関西支部第81期定時総会講演会で発表される。マッハ数の増加に伴いキャビティが長くなることから、マッハ数が増加すると不安定キャビテーションが発生するキャビテーション数の範囲が増加することが推察された。 また、微小じょう乱を仮定して、翼列回りの圧縮性流れの安定性解析を行った。旋回キャビテーションに相当する変動に対する解析により、マッハ数が増加すると旋回キャビテーションが発生するキャビテーション数の範囲が増加する可能性があることがわかった。これは定常流れ場の解析から推察された結果と一致する。しかし、計算プログラムの妥当性のチェックが十分といえるほど行われていないため、流れ場の安定性解析の結果を公表するまでには至っていない。今後は、プログラムの妥当性の確認のために無限遠方における流れ場の挙動の調査、およびキャビテーションサージに対する解析モデルの構築を行う予定である。
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