2005 Fiscal Year Annual Research Report
流体内部構造ミクロシミュレーションを組み込んだ複雑流体の流動シミュレータの開発
Project/Area Number |
17760142
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 剛宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40252621)
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Keywords | 流体内部構造 / ミクロシミュレーション / 複雑流体 / FENEダンベル / 分子モデル / ブラウン動力学シミュレーション |
Research Abstract |
本年度は複雑流体の内部構造のミクロシミュレーションとそれを組み込むためのプラットフォームとなるマクロ流動挙動解析プログラムの作成,およびレオメータを用いた複雑流体のレオロジー特性の測定を行った.ミクロシミュレーションでは,主にディスク状粒子分散系と,FENEダンベルを複数連結した高分子モデルを対象にブラウン動力学シミュレーションによる解析を行った.ディスク状粒子分散系ではせん断流れにおけるレオロジー特性の再現ができた,また,矩形管流路における流動の解析も行った.高分子モデルではポテンシャルを用いた相互作用を組み込むことにより,絡み合い現象の再現の可能性が見出された.また,ネットワークの生成・消滅を考慮した分子モデルの改良の検討も行い,生成・消滅速度のモデルにより種々のレオロジー特性を予測できることが見出された.一方,マクロ流れに関しては,ミクロ流路で顕著な影響が現れる壁面すべりを考慮した高分子流動の数値解析を行った.ミクロ流路では,壁面すべりの影響により流動パターンがマクロ流路と大きく異なることが分かった.また,エマルジョンの流れ解析を想定した液滴変形挙動の解析プログラムを作成し,せん断流れ下の粘弾性液滴変形挙動を解析し,流体の非ニュートン粘性や弾性の影響を調べ,shear-thinning粘性は液滴変形を大きくする効果を持つことが分かった.今後,ミクロシミュレーションとマクロ流動解析の両方の成果を組合せる作業を行い,流体内部構造変化のミクロシミュレーションを組み込んだ流動シミュレータの作成を目指す.
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