2005 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化単分子膜を用いたデバイス基板上の液滴ダイナミクス
Project/Area Number |
17760145
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金田 昌之 九州大学, 工学研究院, 助手 (50346855)
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Keywords | 液滴 / 流動 / 可視化 / 屈折率 / 数値解析 / 自然対流 |
Research Abstract |
1 高分子溶液滴内部流動の可視化 単分子膜を化学気相吸着させ疎液性を持たせたSi基板上における,高分子溶液滴の蒸発過程における流動可視化を行った.溶液滴にはポリスチレンを溶解したキシレンまたはアセトフェノンを用い,可視化粒子としてナイロンパウダーを懸濁した.マイクロシリンジを用いて基板上に滴下し,レーザーシート光で断面を可視化した.その結果,蒸発に伴い液滴中心部から上昇流が生じ,気液界面を沿って下降していく流れが観察された.このとき流速は溶質濃度ならびに蒸発速度に依存することが分かった.すなわち,初期溶質濃度が低く蒸発速度が速いほど,流速が大きくなる.蒸発終了直前では,接触線が固定したままで接触角が小さくなるが,流動は接触線方向に向かうことが確認された.蒸発終了後の高分子薄膜は,可視化粒子が混ざったものとなり,全てドット状であった. また撮影した可視化粒子の座標を,液滴の屈折率を考慮して変換した.その結果,屈折率の大きな液体では気液界面の直接の可視化は難しいことが,明らかとなった. 2 表面張力を考慮した数値解析の構築 表面張力と熱移動を考慮した二次元軸対称解析コードを構築した.コードは無次元化された連続の式,ナビエ・ストークス方程式ならびにエネルギー方程式で構成されており,任意の物性値・接触角・表面張力ならびに温度差をパラメータとして解析できる.その結果,表面張力のみでは実験で観察された流れとは逆向きとなることが明らかとなった.温度差も考慮した場合は,気相の流れにより実験と同じ流動を駆動できる可能性が明らかとなった.
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Research Products
(2 results)