2006 Fiscal Year Annual Research Report
微細管内におけるアイススラリーの流動・融解特性に関する基礎研究
Project/Area Number |
17760156
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
熊野 寛之 信州大学, 工学部, 助教授 (30262299)
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Keywords | アイススラリー / 管摩擦係数 / 熱伝達係数 / IPF / 層流 / 乱流 |
Research Abstract |
本研究では,アイススラリーの流動および融解挙動を把握することを目的として,実験的に検討を行った.昨年度の成果をふまえ,本年度は,乱流域での流動特性の把握を行うとともに,熱伝達係数の測定を行っている.エタノール水溶液を用いたアイススラリーを試料とし,過冷却状態にしたエタノール水溶液を過冷却解消させてアイススラリーを生成した.測定装置の配管径は10.2mmとし,装置は助走区間と測定区間と可視化区間に分けられる.実験では,測定区間の1mにおけるアイススラリーの圧力損失を測定し,これからアイススラリーの管摩擦係数を算出した.実験条件として,Re数を4000から8000程度の乱流域で,またIPFを0%から15%の間で変化させた.その結果,乱流域では,管摩擦係数の値は,IPFの変化の影響をほとんど受けないことがわかった.また,氷粒子を含まない水溶液のみの管摩擦係数と比較して,20%程度増加する傾向のあることがわかった.さらに,ヒーターで配管を加熱して壁面温度と加熱量を測定することにより,熱伝達係数の計測を行った.配管径は10.2mとし,Re数を500から8000程度まで,IPFを0から20%程度まで変化させて検討を行った.その結果,Re数が2000程度までの層流域においては,IPFの増加とともに熱伝達係数も増加するのに対し,乱流域では熱伝達係数がIPFの変化にほとんど影響を受けないことがわかった.また,層流域では水溶液のみの熱伝達係数の5倍程度の熱伝達係数が得られるのに対し,乱流域では水溶液のみの場合と同程度の値となることがわかった.
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