2005 Fiscal Year Annual Research Report
実在表面の温度・ミクロ構造の熱ふく射スペクトル診断法の開発
Project/Area Number |
17760165
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
若林 英信 京都大学, 工学研究科, 助手 (00273467)
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Keywords | 熱ふく射 / 放射 / 干渉 / 分光選択 / 機能性表面 / 薄膜 / TPV発電 / 球面波 |
Research Abstract |
本研究では,エンジニアリングプロセスの実環境下で時々刻々にも変化しつつある表面のミクロ構造を,非接触・実時間的・その場的に診断する新しい方法を開発することを目的とする. 初年度(平成17年度)には,以下の2つの研究を行った. 1.よい熱光電発電システムを実現するには,光電発電素子の感度スペクトルにマッチするふく射を放射する分光機能性のエミッターを開発することが重要である.まず,そのマッチング性能評価の指標(COP)_<spec>を提案した.その指標は,機能性表面の場合の電力出力を灰色表面の場合のそれに比較するものである.つぎに,ふく射干渉に基づく分光選択放射機能性のエミッターとしてニッケルの高温大気酸化表面薄膜系を選び,分光実験に基づいて最適な薄膜系製作の条件を決定した.さらに,その条件で薄膜系を試作し,その系が(COP)_<spec>=6の性能をもつことを示した,その系は,分光機能性に優れ大面積のものも容易に製作できるので有望である. 2.垂直放射率ε_Nと垂直入射半球反射率R_<NH>の同時測定法の開発を進めている.そのねらいは,第1に,1.1〜11μmの波長域でKirchhoffの法則の検証を試みることである.第2に,もしその検証ができれば,R_<NH>の測定を通じてε_N(=1-R_<NH>)が時々刻々に0.30〜11μmの波長域で測定できることになることである.R_<NH>はHelmholtzの相反則を通じて半球等強度入射垂直反射率R_<HN>に等しいが,広波長域高速ふく射スペクトル測定装置と半球反射測定系の結合を考えるとR_<HN>を測定するほうが有利であるので,R_<HN>とε_Nのスペクトルの同時測定をめざしている.その結果,現在,R_<HN>の広波長域高速ふく射スペクトル測定が可能な段階にある.
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