2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロバブルを含んだ乱流自然対流場の総合的理解に関する研究
Project/Area Number |
17760166
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
北川 石英 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (80379065)
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Keywords | 自然対流熱伝達 / マイクロバブル / 混相流 / PTV / LIF |
Research Abstract |
鉛直加熱平板における自然対流熱伝達は,我々の生活で遭遇する身近なものであり,様々な伝熱機器における加熱・冷却手段として幅広く利用されている.このため,自然対流熱伝達の大幅な促進は,伝熱機器の高効率化・コスト削減に寄与し,さらにはエネルギの有効活用に伴う地球規模での環境問題にも貢献する.自然対流熱伝達を促進させる有力な方法として,作動流体が液体の場合には,微細気泡の利用が考えられる.しかしながら,未だ微細気泡を含んだ自然対流場の流動・熱伝達構造は包括的に理解されていない.本研究では,層流自然対流熱伝達に対する微細気泡注入の影響を実験的に明らかにすることを目的とし,熱電対を用いた液体温度計測と,デジタルカラーCCDカメラを用いたPTV(Particle Tracking Velocimetry)による液相速度場計測を行った.注入気泡流量が0.012〜0.035cm^3/sの範囲において得られた知見を以下に示す.(1)熱電対を用いた温度計測から,微細気泡混入時の熱伝達率が非混入時のそれに比して2〜2.3倍程度増加することを明らかにした.(2)微細気泡の注入により,壁近傍の液相平均上昇速度と液相変動速度のrms値が著しく増加するのに対し,気泡発生量に対するその増加割合は,どちらにおいても気泡発生量とともに低下する.(3)Oosthuizenらによる共存対流の結果をもとに,気泡の混入による移流効果と混合拡散効果が熱伝達の促進に寄与する割合を算出した結果,熱伝達率の増加への寄与は,移流効果よりも混合拡散効果の方が高いことを明らかにした.
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