2005 Fiscal Year Annual Research Report
高集光長焦点深度ビームを駆使したレーザーアブレーションによるマイクロドリル加工
Project/Area Number |
17760170
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河野 正道 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (50311634)
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Keywords | レーザー / アプレーション / 高集光長焦点深度ビーム / ベッセルビーム / マイクロドリル加工 |
Research Abstract |
今年度は高集光長焦点深度ビームを用いたマイクロドリル加工を行うための光学系の構築から始めた.合成石英製のアクシコンレンズを集光素子とした光学系を光学常盤上に構築した.ステンレス箔に対するマイクロドリル加工にて,高集光長焦点深度ビーム特有のリング状の加工痕が観測されたこと,またワークディスタンスをミリメートルオーダーで変化させてドリル加工を行っても,厚さ20μmのステンレススチール箔に対して開口径が数マイクロメートルの貫通穴を形成できたことから,高集光長焦点深度ビームを発生出来ていると見なした.また,ナノ秒パルスYAGレーザーの第二高調波を用いて発生させた高集光長焦点深度ビームを用いたマイクロドリル加工における加工特性や加工ダメージを検討するため,加工対象金属の材質を変えてドリル加工を行った.円錐形状アクシコン(半頂角77.5°)を用いたステンレススチール・銅・アルミ箔へ貫通穴を形成したドリル加工では,貫通穴形成における照射エネルギー密度のしきい値は試料の厚みに依存し,試料の厚みが20μmから80μmに増すに従い平均アブレーションレートが低下する傾向が観測された.ステンレススチールおよび銅の入射側には軸状集光ビームのリング状の副次ピークと同様な加工痕が観測されたが,これはビームの副次ピークのエネルギーによって溶融しその後凝固したものと考えられる.この多重リング構造の加工痕に加えて黒く変色している領域が観測されたが,これは試料表面の温度上昇による酸化が起きたためと考えられる.ステンレススチールや銅とは対照的にアルミの表面にはリング状の加工痕や酸化による変色また溶融したと思われる痕が観測されなかった.
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