2005 Fiscal Year Annual Research Report
過熱水蒸気で希釈された対向流拡散火炎の安定性に及ぼすふく射熱移動の影響
Project/Area Number |
17760171
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Research Institution | Chiba Institute of Science |
Principal Investigator |
花井 宏尚 千葉科学大学, 危機管理学部, 助教授 (30312664)
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Keywords | 消炎限界 / 消炎機構 / 過熱水蒸気 / 対向流拡散火炎 / 伸長率 / Optically thin仮定 / Narrow bandモデル |
Research Abstract |
ふく射性ガスである水蒸気は,火炎からのふく射熱損失を増大させ消炎限界を低下させる.特に,速度勾配の小さな流れ場では,火炎厚みが増し,総ふく射熱損失が増大するため消炎限界はさらに低下する.本研究では,酸化剤を高温の水蒸気で希釈した場合の水蒸気が消炎限界に及ぼす影響を明らかにする.また,得られた実験結果を,詳細反応モデル及びふく射の放射・吸収を考慮した数値計算結果と比較し,消炎限界予測に対する最適な燃焼モデル及びふく射モデルを検討する. 1.実験装置の設計・開発 この実験のポイントは,過熱水蒸気を高温で安定に供給することにある.そこで,過熱蒸気を高温で安定に供給する設備の設計・開発を行った.IHボイラ及び食品加工等に利用される誘導加熱式の過熱蒸気発生装置を組合せることにより,最大1200℃の高温過熱水蒸気を安定に供給することを実現した. 2.対向流拡散火炎法による消炎限界の測定 酸化剤温度を500℃とし,過熱水蒸気及び窒素で希釈した場合について消炎限界の比較を行った.その結果,過熱水蒸気で希釈した場合では窒素で希釈した場合に比べ,消炎限界が低下することが明らかになった.今後,燃料濃度,酸素濃度,酸化剤温度,酸化剤中の蒸気濃度をパラメータに,消炎時の伸長率および火炎温度の測定を行い,ふく射熱移動と消炎の関係の理解を目指す.また,排気ガス中のNOx濃度を計測し,酸化剤中蒸気濃度とNOx濃度の関係を明らかにしそのメカニズム解明を試みる. 3.数値解析による消炎機構の解明 蒸気希釈における消炎機構を詳細に解明するため数値解析を行った.計算コードは,対向流拡散火炎用に修正したPREMIXを用いた.ふく射モデルには,ふく射は単なる熱損失として扱うOptically thin仮定のふく射モデルに加え,ふく射の再吸収を考慮したNarrow bandモデルを導入し消炎限界の予測を試みた.
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