2006 Fiscal Year Annual Research Report
超流動ヘリウムのファウンテン効果を利用した超伝導導体の冷却向上に関する研究
Project/Area Number |
17760175
|
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
濱口 真司 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (00311209)
|
Keywords | 超流動ヘリウム / ファウンテン効果 / 熱・物質輸送 / 非定常熱輸送 / 多孔質材 / 二流体モデル / 数値解析 |
Research Abstract |
次世代の高磁場用超伝導線材開発が積極的に推し進められており、その一つにNb3Sn導体の表面に冷却を促進させるための多孔質材インシュレーションを施した線材が考えられている。これを実現するためには多孔質材内部の非常に狭い隙間を流れる超流動ヘリウムの熱・物質輸送特性を把握する必要がある。そこで本研究では、ファウンテン効果に起因する多孔質材内部の超流動ヘリウムの熱・物質輸送特性を明らかにすることを目的とした。 平成18年度は多孔質材を介した超流動ヘリウムの非定常熱・物質輸送について、数値解析コードの開発を行なった。平成17年に開発した数値解析コードを基にし、非定常熱・物質輸送の解析能となるよう拡張した。本コードは基礎式としてゴーター・メリンクの相互摩擦を考慮した超流動ヘリウムの2流体モデルの式が用いられており、他に多孔質材内部の曲がり度・平均細孔径、常流動成分の摩擦損失、体糸内のヘリウム容量が考慮された。本コードを用いて多孔質材(CSi)を用いた飽和超流動ヘリウムの非定常熱・物質輸送実験に関して数値解析を行なった。その結果、ゴーター・メリンクの相互摩擦、多孔質材内部の曲がり度、常流動成分の摩擦損失が定常熱・物質輸送特性を決定し、多孔質材内部の平均細孔径、体糸内のヘリウム容量が非定常熱・物質輸送特性を決定することを明らかにした。 本研究成果は、第21回国際低温工学会議(ICEC21)において、"Numerical Study on Transient Heat and Mass Flow of He II Through Porous Media"という題目で発表された。また超流動ヘリウム応用技術調査研究会に参加し、超伝導キャビティ用超流動ヘリウム冷却システムの見学し、「多孔質内における超流動ヘリウムの流動特性」という題目で講演を行なった。
|
Research Products
(2 results)