2006 Fiscal Year Annual Research Report
カオス時系列解析を用いた脈診波形の解析に関する研究
Project/Area Number |
17760187
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
増本 憲泰 日本工業大学, 工学部, 講師 (80312081)
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Keywords | モデリング / 脈診 / 時系列解析 / カオス / 中医 / 故障診断 |
Research Abstract |
平成17年度に構築した脈波計測システムについて,大連市中医医院(中国遼寧省大連市中山区解放路321号)の中医師ら(張有民副院長はじめ5名)と意見交換を行った結果から,本研究の目標達成にはロボットハンド型の脈診センサを開発することが必要不可欠であると判断した.主な理由は,センサとして用いる第2指(人差し指),第3指(中指),第4指(薬指)の角度,両手首の動脈血管壁を押さえる力の強さを微妙に変化させることができなければ,長期間にわたって研究されてきた脈診法の知見を最大限に利用することができないためである.また,老若男女のあらゆる形状,サイズの手首に対しても適用可能でなければならないことも重要である. そこで平成18年度は,平成17年度に製作した脈診計からロボットハンド型脈診計への軌道修正,臨床データの採取および解析法の開発を目標とした.センサ部のロボットハンドは構造系,計測制御系に分けて研究を進め,指部をワイヤ駆動方式で制御することに定めた上で構造系の設計,試作を行った.構造系は,外部(人体への接触部)と内部とでは設計思想が全く異なり,外部は曲面のみを有する形状として設計し2次元CAD/CAMシステムを用いて部品加工を行った.内部については,関節におけるモーメントの大きさが十分確保できるようなワイヤの経路設計を行った. 構造系の製作に約10ヶ月を要したため,研究期間内にロボットハンド型脈診計の完成が達成されず,ロボットハンド型脈診計に対する中医師らとの再検討,臨床データの採取についても達成されなかった.今後は,臨床データ採取に向けたロボットハンド型脈診計の量産も考慮しながら,継続的に研究を進めていく予定である.
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