2005 Fiscal Year Annual Research Report
実時間マルチボディダイナミクス解析に基づいた操作性の体感評価
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17760190
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
椎葉 太一 明治大学, 理工学部, 講師 (10349839)
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Keywords | マルチボディダイナミクス / 実時間解析 / シミュレータ / 官能評価 / 数値積分法 |
Research Abstract |
本研究は、人間が操作を行う自動車や建設機械などのマルチボディシステムを対象としたものであり、実時間マルチボディダイナミクス解析の計算結果に基づいて、機械を操作する際にステアリングや操作レバーに発生する反力を模擬的に体感し、操作性を評価できる装置を開発することを目的としたものである。 初年度である平成17年度は、実時間処理を実現する上で重要となる解析アルゴリズムおよび数値積分法について評価を行った。評価にあたり、線形計算ライブラリであるBLASおよびLapackを用いて、独自のマルチボディダイナミクス解析プログラムを開発した。この解析プログラムを利用して、マルチボディダイナミクス解析のアルゴリズムである拡大法および一般化座標分割法について、計算速度の評価を行った。更に、数値積分法として陽解法(Runge-Kutta法)および陰解法(PECE法、Adams-Bashforth-Moulton法、Gear法)のそれぞれについて、計算速度と安定性の評価を行った。この解析プログラムを用い、自動車のサスペンション機構を模した平面マルチボディシステムの解析を行ったところ、計算周期1msでの実時間解析を実現出来ることを確認した。また、対象とするシステムにおいては、Adams-Bashforth-Moulton法が計算速度及び安定性の面で有効であることが判った。 併せて、解析結果を体感として提示する操舵反力模擬装置を製作し、基礎的な力学特性を評価した。この装置は、自動車の旋回時にステアリング機構に発生する反力を、DCサーボモータによって模擬する装置である。平成18年度には、開発したマルチボディダイナミクス解析プログラムとこの操舵反力模擬装置を連携させることにより、操作性の体感評価を検討する。
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