2005 Fiscal Year Annual Research Report
自動制御型負性容量回路とシート状圧電素子による高性能音響・振動制御システムの開発
Project/Area Number |
17760194
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Research Institution | Kobayasi Institute of Physical Research |
Principal Investigator |
児玉 秀和 (財)小林理学研究所, 圧電応用研究室, 研究員 (60373198)
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Keywords | 圧電 / 負性容量回路 / 音響 / 振動 / ヤング率 / 電気機械結合係数 / マクロファイバーコンポジット / ポリフッ化ビニリデン |
Research Abstract |
シート状圧電材料の圧電性,弾性および誘電性,負性容量回路のインピーダンス特性及びフィードバック特性,回路制御による圧電材料の振動特性および遮音性能の変化について信頼性の高いデータを収集し,物性,電気,振動および音響の4つの現象を互いに関連づけた制御理論を基に負性容量回路を自動化するためのアルゴリズムを開発することを目的とした.ここでは近年NASAが開発した,PZTセラミックスマクロファイバーコンポジットシート(MFC)を試料として用いた.圧電共鳴法より電気機械結合係数kは0.475であった.スピーカを設置した金属箱の音口をアーチ型に成形したMFCで塞ぎ,音圧によって誘起される振動をレーザードップラー計で測定した.周波数範囲は10Hz〜250Hzとした.音圧と振動振幅の比よりヤング率は20GPaが得られた.負性容量回路を結合したMFCのヤング率は,回路の損失係数tanδ_cとMFCの誘電的損失係数tanδ_sが一致した周波数で制御され,kの2乗を係数として回路と試料の電気的容量の比C_c/C_sに反比例した.振動振幅の減衰幅はC_c/C_s=1-k^2のとき最大となり、28dBに至った.これはヤング率が300GPaに増加したことに相当する.回路のキャパシターとしてMFCを用いることにより制御周波数を40Hz〜230Hzまで拡張することに成功した.ポリフッ化ビニリデン(PVDF)についてもC_c/C_s=1-k^2の条件を満たしたとき音響透過損失の減衰は最大となり,29dBに達した.これはヤング率が3GPaから90GPaに増加したことに相当する.本研究結果は9月27日および28日にNASA, Fraunhofer主催で行われた国際会議International Symposium on Macrofiber Composite Applications(ドレスデン・ドイツ)で報告した.
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