2006 Fiscal Year Annual Research Report
自動制御型負性容量回路とシート状圧電素子による高性能音響・振動制御システムの開発
Project/Area Number |
17760194
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Research Institution | Kobayasi Institute of Physical Research |
Principal Investigator |
児玉 秀和 (財)小林理学研究所, 圧電応用研究室, 研究員 (60373198)
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Keywords | 圧電性 / 負性容量回路 / 遮音 / 制振 / ポリフッ化ビニリデン / PZTセラミックスコンポジット / コンピュータ制御 / 電気的容量 |
Research Abstract |
負性容量回路による圧電素子の音響・振動制御において,(1)電気機械結合係数が制御に与える影響,(2)回路と素子の電気的容量と制御特性の関係,(3)負性容量回路のコンピュータ制御化について研究を遂行した.(1)では圧電性ポリフッ化ビニリデン(PVDF)フィルムと,それより結合係数が5倍大きなPZTセラミックスコンポジットシート(MFC)について制御効果を比較した.このシステムで圧電素子のヤング率は回路と素子の電気的容量の比に依存する.遮音効果が最大となる容量比はPVDFでは-0.997,MFCでは-0.93となった.このシステムは容量比が0から-1の範囲で安定に動作し,容量比が-1に近づくにつれ回路にかかる負荷が増大する.本結果は用いる素子の結合係数が大きくなるにつれてシステムの動作安定性が向上し,かつ回路にかかる負荷が減少することを実験的に示した.(2)では回路の制御電圧と圧電素子の振動制御の周波数特性を回路と素子の電気的容量の周波数特性から予測し実験値と比較した.電気的容量を複素数として取り扱い,それぞれの予測式を確立した.回路の複素容量は回路パラメータより計算によって求め,素子の複素容量はインピーダンスアナライザーを用いて実測した.それぞれの値と予測式から求めた制御電圧および振動制御は実験値と良い一致を示した.本結果は回路および素子の電気的特性から制御効果量を予測する手法を示した.(3)では負性容量回路にデジタルポテンショメータを導入し自動最適化を行った.本システムでは圧電素子の電気的容量および電気機械結合係数が温度変化により揺らぎを生じると,制御効果も変動する.その変動幅は制御効果量が高いほど大きい.ここではコンピュータ制御により揺らぎに追随した自動最適化を行い,動作安定化と40dB以上の制御効果の両立を実現した.
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Research Products
(1 results)