2005 Fiscal Year Annual Research Report
インタラクティブロボットハンドによる把持機能の飛躍的向上
Project/Area Number |
17760198
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長谷川 泰久 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (70303675)
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Keywords | ロボットハンド / 腱駆動 / 安定性 / 把持力 / 指先姿勢 / コンプライアンス |
Research Abstract |
本研究では,機構的な受動性(メカニカルコンプライアンス)を取り入れたインタラクティブロボットハンドを設計・製作し,安定した把持や滑りを活用した巧みな物体操作の実現を目指す.ここでは,人の腱駆動構造を模倣することで,適切なメカニカルコンプライアンスを有するロボットハンドを製作し,物体の把持位置や把持力に応じて指先姿勢を含む把持形態が受動的に変化することで,アクチュエータが制御することなく適切なコンプライアンスを物体に与えることが可能なロボットハンドの実現を目的とする. そこで,本年度は,腱配置およびリンク構造を変化させた際,実現されるメカニカルコンプライアンスの特性変化の関係を調べ,適切なメカニカルコンプライアンスを有する腱駆動構造をシミュレーション上で決定した.この適切なメカニカルコンプライアンスが実現されると,把持している物体に外力が作用した際,その物体の変位を許容しながら指先にて滑りが生じにくくなる方向へ指先姿勢が受動的に変化する.その結果,外力に対する把持物体の安定性の向上が可能となり,従来の関節駆動型のロボットハンドでは実現できなかった特性である。更に,MP関節に生じるトルクは3本の腱張力の和と比例関係を有している.そこで,DIPが延びきった指先姿勢では,DIPを駆動することができる腱の張力を増加させると,DIP関節トルクの増加量は少なくMP関節トルクを大きく増加させることが可能となる.これにより,親指と人差指によるピンチング動作において,関節駆動型ロボットハンドより把持力を高めることが可能であることも明らかになった.最後に,シミュレーション上で確認されたメカニカルコンプライアンスの特徴を,実際のシステムにて検証を行う為,現在,腱駆動型ロボットフィンガーを製作しており,平成18年度に実験を行う予定である.
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