2006 Fiscal Year Annual Research Report
インタラクティブロボットハンドによる把持機能の飛躍的向上
Project/Area Number |
17760198
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長谷川 泰久 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 講師 (70303675)
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Keywords | 腱駆動 / 多関節連動 / コンプライアンス / 把持力 / 指先姿勢 |
Research Abstract |
本研究では,人間の指のような機構的な受動性(メカニカルコンプライアンス)を有するインタラクティブロボットハンドの設計・製作し,安定した把持や滑りを活用した巧みな物体操作の実現を目指している.特に,2年目では,人の腱駆動構造を模倣することで,把持力にほぼ比例して把持力と直交方向のスティフネス(=コンプライアンスの逆数)が変化する特性が実現できることをシミュレーション及び製作した実機により確認した. 具体手には,まず,人の指は機構的に把持力に応じて,その把持力と直交する方向のスティフネスが比例した関係を持っていることを実験により確認した.つまり,把持内力を意識的に変化させることで,把持物体のコンプライアンスを変化させることが可能となる.また,把持物体の重量によっては把持力を人間は調整し,それに応じて自動的に適切な指先のスティフネスが調節されている.このような優れた人間の指先特性を機構的に再現するために,多関節腱駆動機構を提案し,力センサを用いることなく機構的に適切なコンプライアンスが実現可能であることをシミュレーションにて確認した.更に,原理検証の実験機を製作し,シミュレーションに近い結果を得た.この多関節腱駆動では,1つの腱が同時に多関節を駆動する腱配置を作用し,また,腱にバネ特性を持たせることにより,従来の関節駆動系では実現できないメカニカルコンプライアンスが得られた.これにより,衝突などの予測が困難な外力が作用した際に,人の指の様に指位置・姿勢が柔軟に変化し,また,把持力に応じてコンプライアンスが変化することで,把持物体の安定化,組み付け作業のスムーズな遂行が可能となると思われる.これらの可能性の検証については今後の課題としたい.
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