2005 Fiscal Year Annual Research Report
流体駆動式完全密閉型レスキュー探査用移動ロボットの開発
Project/Area Number |
17760201
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
木村 仁 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (60376944)
|
Keywords | 完全密閉構造 / 柔軟構造 / 水力学的骨格 / 狭隘地形探査 / レスキュー |
Research Abstract |
本研究では柔軟かつ密閉型の狭隘地形用移動ロボットの開発を目的としている。このロボットは柔軟なシートを筒状にして、更にその両端を接続して二重のループ構造を持つ。このループ構造のシートを柔軟なクローラで駆動することで柔軟性と密閉構造を保ったまま、自律動作が可能となる。駆動機構については、柔軟性ということでミミズやイソギンチャクに見られる水力学的骨格に注目し、HS(Hydrostatic Skeleton)クローラの提案および試作を行った。HSクローラは一定量の密閉型の流体を封入した流体チャンバと呼ぶものを複数連結して作成したクローラベルトと、隣り合う二つの流体チャンバを跨る様に配置した圧力チューブからなる。圧力チューブを加減圧すると、圧力チューブが膨張して直線状になる力を生じるため本クローラは駆動可能となる。 動作を検証するための一次試作品では流体チャンバに市販のビニールを用い、圧力チューブには天然ゴムを用いた。圧力チューブの加圧および減圧にはマイクロコンプレッサとポンプを使用し、それぞれの圧力チューブには小型の電磁弁を配置した。 この一次試作品は、バッテリ、コントローラ、ポンプ、弁をすべて内蔵した自律駆動型として動作実験を行い、予定通り柔軟性を保ちながら11mm/sの速度の走行を実現した。 しかしながらこの試作クローラは圧力チューブと流体チャンバの密着性が低く、圧力による変形力を有効に駆動力へと変換できていない問題があった。そこで二次試作機では流体チャンバが圧力チューブを包み込むような形状とし、一次試作機より高い駆動力を生じるクローラを作成した。 今後はクローラの全高を低く保つために、せり出すような動作のクローラの構造について検討する予定である。
|