2005 Fiscal Year Annual Research Report
断崖絶壁を浮上により全方向に移動可能な,長腕型移動ロボットの開発
Project/Area Number |
17760202
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高山 俊男 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (80376954)
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Keywords | 斜面移動 / 壁面作業 |
Research Abstract |
本研究では急傾斜移動ロボットとして,2本の長いアームで上方にV字型にワイヤを掛けて,これを引張りながら移動する移動ロボットを提案している.このようなロボットは急傾斜では壁面に対して力を加えるとワイヤにぶら下がった自機は壁面から浮き上がってしまい作業が行いにくいことから,ロボットにプロペラを取り付けて作業時には押し付ける方向に回転させる方法を採用する.またロボットは軽量化のため移動機構は簡単な車輪状の物のみとなるため多方向への移動能力が期待できない.そこで本研究では急斜面での移動時にはプロペラを逆回転させることで2本のワイヤにぶら下がった状態で壁面より浮上し,その間に2本のワイヤを巻き取ることで壁面を全方向に自在に移動する方法もまた新たに提案している.まずこうした移動ロボットを作るにあたり,ロボットの重量をどの程度とするかが問題となる.移動ロボットは一人で運用することを考え,500mm四方のサイズと考えると,プロペラはその中に内臓されφ300mm程度と考えられる.このプロペラと同程度のサイズを持つ小型のラジコンのヘリコプタは自重が170g程度で推力は190g程度を出すことが確認された.これをそのまま用いてその他の観測,作業装置を取り付けた場合,500g程度のロボットで70[deg],1000g程度のロボットで80[deg]程度の傾斜面で浮上が行えることがわかる.またヘリコプタとはプロペラの特性は異なり翼の枚数も半分であるが,同じ程度の直径の航空機用のプロペラで実験を行い,20Wモータにより同程度の推力が出ることを確認した.しかしこれらのロータは逆回転することを考えておらず,片方の回転方向に特化した形状に作られており,逆回転させても殆ど推力が出ないこともわかった.そこでロータに柔軟な構造を用いることで,正転時と逆転時にロータ断面形状が変化して,両方の回転方向で高い推力を出すことのできるロータを設計し現在製作している.
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