2005 Fiscal Year Annual Research Report
結合振動子モデルと制御対象の統合系における振動子設計論
Project/Area Number |
17760204
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
稲垣 伸吉 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80362276)
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Keywords | 振動子 / 統合系 / 周期運動 / 消散定理 / 自律分散システム / 歩行ロボット |
Research Abstract |
本研究では、ロボットなど多自由度、複雑な制御対象(機械系)に対し広く使われている「結合振動子モデルを用いた制御方法」において、結合振動子モデルと機械系の統合系における動的パターンの安定性に基づく、振動子の解析的設計論について理論展開と検証を行う。具体的に以下の課題を行う。 (1)結合振動子モデルと機械系の統合系に対し、自立分散システムの設計理論に基づいてモデル化することにより、計算複雑度の分散化を行う。 (2)機械系と振動子系の受動的結合により、機械系の物理的エネルギーと振動子系の仮想的エネルギーの和(拡張エネルギー)を指標とした、動的パターンの安定解析を行う。 (3)課題(2)の安定解析に基づいた振動子の設計問題を定式化し、解法を探求する。 (4)実システムへの搭載方法の検討と、物理シミュレーションおよび実機における検証を行う。 この中で平成17年度は上記(2)、および(4)における実機実験の準備を行った。 特に、本研究の中核を成す課題(2)について重点的に行った.具体的には、機械系と振動子の統合系において、機械系の物理的エネルギーと振動子が持つ仮想的な振動エネルギーの消散的結合による系の設計法を提案した。また、その安定解析では、統合系の拡張エネルギーの変化と機械系が環境から受ける外力の仕事率とが等しくなることを利用して、外力を入力、制御対象の状態を出力とした統合系の入出力安定性についての解析法を提案した。以上の成果は、第18回自律分散システム・シンポジウム(2006年1月26日〜27日、福井)にて発表し、多くの指示を受けた。この成果は他の課題を実施するために必要であり、次年度の研究の根幹を成すものである。 課題(4)については、次年度実施予定の実機実験の検証を目指し、申請者が開発し現有する多脚歩行ロボットの改良、および二足歩行ロボットの購入を行い、実験環境の整備を行った。
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