2005 Fiscal Year Annual Research Report
超柔軟身体を有するシステムのマニピュレーション理論
Project/Area Number |
17760205
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
望山 洋 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (40303333)
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Keywords | ロボット / マニピュレーション / 無限次元系 / 柔軟ロボット |
Research Abstract |
本研究では,超柔軟身体を有するシステムのマニピュレーション理論の基礎を与える,いくつかの実験に成功した. まず,ダンピングマニピュレーションでは,実装が困難であった理論的に導出された制御則に対して,幾何的な考察とシミュレーション結果から,超柔軟部とアクチュエータ部との接点の角度情報のみを用いたダンピング制御則を見出した.この制御則の有効性を,直動スライダにゴム製の帯を取り付け,その接続部の角度をロータリエンコーダで検出する1アクチュエータ1センサの装置により,実験的に確認した.超柔軟ロボットという無限次元の系に対して,1アクチュエータ1センサでダンピング制御を実現することを示した. つぎに,このダンピングマニピュレーションを基礎として,スイングマニピュレーションを実現した.ダンピング制御則は,接続部の角速度を推定することにより,超柔軟部が概ねどちらにスイングしているかを調べ,その方向にアクチュエータを動かすことにより減衰効果を与えるという,物理的意味に富んだ制御則である.この制御則を逆に用い,スイングしている方向にカウンターを当てるようにアクチュエータを逆方向に動かすと,丁度,ブランコを漕ぐときのように,大きなスイングが得られる.この制御則により大振幅のスイングを安定的に発生する実験に成功した. さらに,このスイング制御則によって安定したエネルギー状態に到達した後に,タイミングを合わせて位置決め制御に切り替えることで,超柔軟ロボットの手先に取り付けられた質量によって,目標地点に衝撃力を加えるインパクトマニピュレーションを実現した.超柔軟ロボットでは,衝撃力がアクチュエータ部に伝達されないため,衝撃力が伴うような危険な作業に対してもシステムの安全性が保たれる.
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