2005 Fiscal Year Annual Research Report
人間の操作技能と機械の自律機能の融合のための適応モデルについての研究
Project/Area Number |
17760206
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
掘口 由貴男 京都大学, 工学研究科, 助手 (50362455)
|
Keywords | 人間機械協調系 / 共有制御 / 動作解析 / 適応 |
Research Abstract |
人間と機械の自律機能が協力して系の操作にあたる共有自律系では,両者間での適切な機能分担と相互認識の確立が重要となる.この課題について以下の研究を行った: ●事前に設計された自律機能の振る舞いと人間-機械間の機能分担が共同作業における人間の操作にどう影響するのかを,パワーアシスト装具の開発を通じて検討した.アシスト装具を有用な道具として成立させるには,ユーザの動作意図を装具側が確実に検知できなくてはならない.そこで,上肢の屈曲・伸展運動のパワーアシストにおいて,ユーザの装具に対する動きから力センサを用いてその操作意図を識別することを試みた.その結果,センサパターンによる動作に固有のパターンと装着するユーザに固有のパターンが混在しているために,的確な識別のためには後者の影響を取り除いた意図推定モデルが有効であることを確認した.また,ユーザにとって自然なアシスト動作を評価するためには,もととなる動作の自然な状態を明確にする必要があった.そこで,上肢の屈曲運動を2点間到達運動(リーチング動作)の軌道計画規範を用いて説明し,アシスト装具を使用した場合にユーザの動作構造がどのように変化するかを同型性の観点から分析した.その結果,通常のインピーダンス制御では,両者の動作タイミングが一致しないことが原因で,ユーザの本来の動作構造が歪められることを確認した.さらに,ユーザ自身によるアシスト動作のチューニングを模擬した実験によって,両者の動作の同調がユーザの本来の動作構造を維持することを確認した. ●準自律移動ロボットの遠隔操作系を対象とした操作技能の比較実験を通して,ユーザのシステムへの適応がロボットの振る舞いのレベルでどのような構造として現れるかを検討した.その結果,ロボットを介して得られる知覚と行為の相互依存の関係が,ヒトが生身で環境中を移動する場合のそれと一致する状態に至ることを確認した.
|