2005 Fiscal Year Annual Research Report
人体への接触を目的としたロボットハンドの製作とマッサージ動作への適用
Project/Area Number |
17760210
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
梶川 伸哉 東北学院大学, 工学部, 助教授 (80290691)
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Keywords | ロボットハンド / 受動柔軟性 / 外力推定 / 柔軟関節 / スキンケア / マッサージ / 心理的評価 |
Research Abstract |
本研究の目的はマッサージやスキンケアなどの身体ケアを行なうロボットハンドの製作とそれら作業の実現である.開発するハンドの特徴は多方向からの外力に対する受動柔軟性と外力の大きさを推定する機能を有すること,および皮膚温に近い表面温度を有することである.また,最終的には生理的,心理的効果の高いマッサージ動作を開発したハンドで実現することである. 今年度は(1)外力吸収,推定機能を有するロボットハンド用モジュールの設計・製作とその基礎特性の解析,(2)マッサージ動作パターンに対する心理的評価の二つを主に行なった.(1)については関節内に組み込むシリコーンゴムクッションの設計・製作を行なった.その際に望まれる弾性特性を持たせるために形状設計のみならずシリコーンゴムの組成率も検討し製作した.次に,製作したクッションを組み込んだ人サイズのロボットフィンガーの設計・製作を行なった.特性解析実験により,ロボットフィンガーが当初の期待通り,多方向の外力に対する柔軟な応答が得られ,その大きさを精度良く推定できることも確認された.さらに,フィンガーモジュールを用いてスキンケアを模擬した制御実験も行い,摩擦の大小に関係なく,表面を滑らかになぞる動作が実現できた.これらの研究経過は,国際会議(2件),国内学会(1件)において公表し,高い評価を得た(ICMA2005 Best Paper Award Finalist).また,それらの成果をまとめたものを現在国内学会論文誌へ投稿中である. 次に(2)は,効果的なマッサージ,スキンケア動作を実現するために必要となる動作パターンを得るために行なった.実験は人間の手を数種類の圧迫パターンで刺激する実験であり,このパターンの力学的パラメータと心理的評価の関係を解析した.その結果,圧迫力の初期増加率を抑えることが人にとって好ましい印象を与え得ることが確認された.この結果は,国内学会論文誌に投稿し,掲載が予定されている.
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