2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17760211
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
高信 英明 工学院大学, 工学部, 助教授 (40308177)
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Keywords | 多自由度 / 柔軟 / 機械 / ロボット / 舌 |
Research Abstract |
世界的にこれまで研究されてきた機械システムの多くは,機構を剛体と仮定することを基礎として発展してきた.剛体と仮定することにより,運動学問題・動力学問題が容易に解けることがその理由である.しかしながら,実際の機械システムは完全な剛体であることは不可能である. 一方,近年「生物型機械」の研究が盛んにおこなわれており,ヒューマノイド型ロボットに代表される形態重視型機械が我が国を中心に多く見受けられる. 以上の2点を基礎とし,柔軟かつヒトにヒントを得た機械に本研究では着目する.その具体例として本研究は「ヒトの舌をモデルとした多自由度柔軟機械の研究」を目的とする.舌の役目には発話・咀嚼・楽器演奏その他があり,その柔軟性には注目に値する可能性があると研究代表者は考えている.そこで本研究では舌に着目し,その運動をシミュレート可能な機械を構築する. 現在までにヒトの舌の動作の基本動作の解析を進め,舌の可動範囲・速度・発生力を計測した.これはヒトの舌にマーカーを付着させ,毎秒30フレーム以上の高速カメラで舌の動作を解析するシステムであった.発生力に関しては,歪みゲージを金属板に貼り付けた計測システムを構築した.これらの計測結果に基づき,本年度は多自由度機械のワイヤ駆動部および基本ユニットを設計し,基本ユニットの理論的解析もおこなった.まず多自由度機械の駆動部としてワイヤを用いた駆動部を設計した.ワイヤ駆動法を用いることにより,駆動部と舌部分とを分離可能であり,コンパクトな舌部分を構成できる.ワイヤ駆動においては摩擦の軽減とワイヤ経路の確保が重要となるため,ワイヤ蛇管方式を検討した。次に舌部分を構成する基本ユニットには柔軟性および多自由度性を考慮に入れた機構を設計した.
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