2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17760214
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
梅津 信二郎 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (70373032)
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Keywords | マイクロマシン / 駆動機構 / 静電場 / 放電場 |
Research Abstract |
放電場で発生する駆動力を利用した送風機構・インクジェット機構・微小粒子ハンドリング機構などのマイクロ機器を開発した. 針対平板電極系において,電極間に高電圧を印加すると,針電極先端からイオンやオゾンを含む空気流(イオン風)が平板電極に向かって発生する.この空気流を利用してスポット冷却が可能な機構を開発した.また,負を針電極に印加した場合は,正を印加した場合よりも10倍程度オゾンの発生量が多いことがわかっている.このことを利用してスポット消毒・殺菌可能なオゾン送風機構を開発した. つぎに,針電極の代わりに液体針電極を用いると,液滴が周期的に吐出される静電インクジェット現象が生じる.この現象の基礎特性とメカニズムの把握をこれまで行ってきた.本年度は,液体として銀ナノ粒子を含むペーストを使用することで電子回路を描画し,ガラスペーストを使用することで三次元造形物を描画した。また,これらのペーストを併用することで,多層の電子回路が描画できることを実証した. 細胞などの微小な粒子をハンドリングするための双極子プローブを開発した.電圧を印加することで双極子プローブに静電力が発生するので,粒子を捕捉できる.しかし,粒子とプローブ間に働く吸着力が自重を上回るため,電圧の印加を止めるだけでは粒子を分離できない.そこで,双極子プローブにさらに針電極を付け加え,この針電極にコロナ放電が発生する程度の高電圧を印加し,発生するイオン風によって付着した微小粒子をプローブから分離する機構を開発した.
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