2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ多方向切換バルブを用いたマイクロ分注システムの開発
Project/Area Number |
17760219
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
長谷川 忠大 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (10340605)
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Keywords | マイクロ多方向切換バルブチップ / 最適設計 / マイクロ分注チップ / ハット型チェックバルブ / 非接触マイクロ流体検知 / 化学IC / μ-TAS |
Research Abstract |
平成17度は,大別して,1)マイクロソレノイド内蔵型多方向切換バルブチップのための最適設計パラメータの推定とそれに基づいた切換バルブチップの試作,2)マイクロ分注チップのための主要技術の開発とそれらを集積化した分注チップの試作,の2つの研究成果を得た. 1)については,本研究課題であるマイクロ分注システムをポータブル化するため,主要要素であるマイクロ多方向切換バルブチップにマイクロソレノイドを内蔵させることを目的に行った.本切換バルブは抜本的に構造の異なるロータリー機構を採用することにより,700kPa以上の高耐圧構造で10個の流出口の自動切換えを実現してきた.しかし,外部設置のソレノイドで動作していた.このため,発生力が1N以下のマイクロアクチュエータを使用しても流路切換えが可能になる切換バルブの最適設計パラメータを測定実験により推定した.これにより,0.8N程度の発生力で動作するパラメータを獲得でき,マイクロソレノイド内蔵型切換バルブチップの1号機を試作した. 2)については,1つのマイクロポンプのみで動作し,非接触でマイクロ流体を検知計量できる分注チップを開発した.まず,本研究室で開発してきたハット型チェックバルブのみで構成させマイクロポンプのみで流体の流れを制御でき,流路長で流体量を計量できる流体回路を考案,検証実験により有効性を確認した.次に,非接触でマイクロ流体を検知するため,流路壁での赤外光の全反射を利用した検知方法を開発した.これは流体が注入されていないときは,流路壁で赤外光が全反射し,流体が注入されると壁面の屈折率が変わりフォトダイオートに赤外光が入射して検知する原理である.これにより,流体の通過が判別できるだけでなく,流体が現在存在しているのかも検知できる利点がある.以上の要素をチップ内に集積化して0.5μlと1μlの分注ができるチップを試作して有効性を実証した.
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Research Products
(4 results)