2005 Fiscal Year Annual Research Report
三対6筋の協調制御機能を有するロボットアームの動作特性に関する研究
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17760221
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Research Institution | Toyama National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
藤川 智彦 富山商船高等専門学校, 電子制御工学科, 講師 (80321420)
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Keywords | 三対6筋 / 二関節筋 / 動作筋電図学的解析 / 筋の協調制御パターン / 歩行運動 / 抗重力方向 |
Research Abstract |
ヒト四肢の筋配列を模倣した三対6筋を有する二関節リンクモデルにより,静的条件下の力制御を行う筋の協調制御パターンが理論的および実験的に明らかになった.着目した三対6筋とはヒト四肢の大腿部や上腕部に存在する各関節の拮抗一関節筋ペアと二つの関節に同時に関与する拮抗二関節筋ペアによる筋構成である.本研究は三対6筋の機能を有する能動的なロボットアームの開発を目指している.そこで,ヒトの歩行運動に着目し,静的条件下の力制御を行う三対6筋の協調制御パターンと動的な歩行の軌道の関係を明らかすることを試みた.特に,ここでは歩行における動作筋電図学的解析に注目し,歩行着床中の姿勢変化による抗重力方向の変化と三対6筋の活動の変化を明らかにした.解析に用いた歩行着床時の姿勢は前傾姿勢,正常歩行,後傾姿勢の3姿勢とした.これより,抗重力方向(着床姿勢)の変化に伴い,三対6筋の活動パターンが変化することが明らかになった.すなわち,抗重力筋である膝関節の一関節伸筋(内側広筋)は絶えず活動している状態で,前傾姿勢になると股関節の一関節伸筋(大殿筋)の活動が増加し,後傾姿勢になると大腿部前面の二関節筋(大腿直筋)の活動が増加することがわかり,抗重力方向の変化にともない,大腿部前面の二関節筋と股関節の一関節伸筋の間で筋活動の推移があることがわかった.この結果,この筋活動の推移は抗重力方向によって自動的に変化することが明らかになり,歩行パターンの生成に三対6筋の協調的な活動の推移があることがわかった.また,この筋活動の推移は静的条件下の力制御を行う三対6筋の協調制御パターンと密接な関係があることが伺えた.
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Research Products
(2 results)