2005 Fiscal Year Annual Research Report
Jerk最小化軌道と適応型摩擦補償によるテーブル駆動装置の高速・高精度位置決め
Project/Area Number |
17760222
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Research Institution | Toyota National College of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 和晃 豊田工業高等専門学校, 電気・電子システム工学科, 講師 (10369986)
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Keywords | ボールねじ / 外乱オブザーバ / 転がり摩擦 / 非線形摩擦 / 初期値補償 / テーブル装置 / 2自由度制御 |
Research Abstract |
1.ボールねじ駆動テーブル装置の制御対象モデルおよび非線形摩擦モデルの獲得 ボールねじ駆動テーブル装置を対象とした制御対象モデルの獲得を目的に,正弦波掃引信号を用いて実機周波数特性を採取し,得られた実機周波数特性を模擬するようカーブフィッティングにより数学モデルを構築した。また,一定速度試験により得られた速度・トルク特性を基に非線形摩擦モデルの構築を行った。その際,微小領域における非線形挙動を表現するために転がり摩擦モデルを導入し,そのパラメータ設定に当たっては,位置決め応答波形,正弦波応答波形のそれぞれが実機とモデルでよい一致を示すよう決定した。以上の結果,実機周波数特性および実機時間応答特性の両方を模擬可能な制御対象モデルと非線形摩擦モデルを獲得した。 2.転がり摩擦モデルに基づく外乱オブザーバの初期値補償 転がり摩擦モデルを導入した非線形摩擦モデルが実機特性を十分に模擬できることが明らかとなったため,外乱オブザーバによる摩擦補償で問題とされる動作開始時点での補償遅れを解消するため,転がり摩擦モデルに基づく外乱オブザーバの初期値補償法を導入した。そこでは,転がり摩擦モデルの入力信号にフィードフォワード補償器によって生成される位置指令波形から算出される速度指令波形を用い,その結果得られる推定摩擦値を外乱オブザーバの初期値に利用している。この場合,前動作時における動作履歴によって変化する摩擦補償量の初期値を算出可能なことから,往復運転時および同一方向への連続運転時に生じる位置決め応答性能のバラツキを十分に圧縮することが可能となる。本手法の有効性は,研究室に現有のボールねじ駆動テーブル装置を用いた実験によって明らかとなった。
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