2005 Fiscal Year Annual Research Report
電場応答性高分子を用いた有限回転型人工筋アクチュエータの開発
Project/Area Number |
17760223
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
高木 賢太郎 独立行政法人理化学研究所, 環境適応ロボットシステム研究チーム, 研究員 (60392007)
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Keywords | アクチュエータ / 電場応答性高分子 / Ionic Polymer-Metal Composite / 回転駆動機構 / インピーダンス / 分布定数系 / パラメータ同定 |
Research Abstract |
電場応答性高分子のひとつである,IPMC(Ionic Polymer-Metal Composite)を用いて,有限回転型機構をもつアクチュエータの研究開発を行なっている.まず実験に必要なIPMCを作製するため,Nafion117イオン交換樹脂膜の無電解金メッキを行ない,異なる長さのIPMCを準備した.また薄膜(Nafion112)IPMCを作製した.さらに厚い膜Nafion1110を購入しブラスト加工など必要な準備を進めている.また,任意形状のIPMCを作製するための準備として,フッ素型イオン交換樹脂ビーズを用いてヒートプレスによる加工が可能であることを確認している. 本年度の主な成果は,アクチュエータの電気特性(電気インピーダンス)のモデル化である.計測の結果,IPMCの電気インピーダンスの周波数応答は,単一のキャパシタンスではモデル化できないことがわかった.計測の結果からは,インピーダンスの周波数応答は分布定数系としての特徴をもっているようにみえる.これは,膜の電極・ポリマー界面における複雑なフラクタル状の電極形状が原因であると予想される.そこで,1次元分布定数系モデルを用いてインピーダンスのモデリングを試みた.モデルは数個のパラメータと非有理伝達関数で特徴付けられるもので,実験データを用いてそのパラメータを非線形計画によって同定した.この結果は,国内学会にて報告した.今後,モデルと物理的原理との対応をつけることや,モデルを用いた効率的な駆動法の確立が課題である.また電気的特性だけではなく,最も重要な機械的特性を調べるため,形状などの違いによる発生力や機械コンプライアンスの違いを実験的に検証することが今後必要である.
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Research Products
(1 results)