2006 Fiscal Year Annual Research Report
リアルタイム制御によるマトリクスコンバータの性能向上とPMモータドライブへの応用
Project/Area Number |
17760230
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
石川 裕記 岐阜大学, 工学部, 助手 (90273119)
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Keywords | マトリクスコンバータ / FPGA / リアルタイム制御 / PMモータ |
Research Abstract |
本研究では以下の点を明らかにした。 ・マトリクスコンバータ(MC)の変換電力の高品質化について MCの変換電力の制御法として,直接変換法と仮想AC/DC/AC法がある。直接変換法は入出力の指令交流電圧および指令交流電流からスイッチングパターンを導出するものであるが,入出力電圧の状態量により,一意にスイッチングパターンが決定する。平均的な変換電力の制御をしながら瞬時的な制御,例えば,瞬時電流の波形歪み制御やノイズ抑制制御を同時に施すにはパラメータの自由度が足りないことが明らかになった。一方,仮想AC/DC/AC法は,従来のインバータ/コンバータのスイッチング制御を流用しようとするものである。入出力電圧・電流の状態量が等しくない限り,入力電力制御のためのスイッチングパターンと出力電力制御のためのスイッチングパターンに矛盾が生じ,本研究の目的である入力力率制御・出力電力の高品質化の同時制御を実現できないことが明らかになった。しかしながら,仮想AC/DC/AC法は,従来は固定であったスイッチング周波数を可変にすることなど,検討の余地は残されており,この点について引き続き検討を行っている, ・高性能モータドライブ制御のための制御方式について 埋込磁石形同期電動機の固定子電流は,回転子磁束分布が正弦波状でないことから,基本波の6倍の高調波成分が重畳することが明らかになっている。この高調波成分はdq変換により5次調波となって現れ,従来の制御系では不安定現象の原因の一つとなっている。本研究では,この高調波成分と,直流成分を分離し,高調波成分はゼロとなるように制御し,直流成分は速度制御系のマイナーループである電流制御系に用いることにより,固定子電流歪みを抑制しながら,同時に速度制御を実現する新しい制御系の構築を行った。計算機シミュレーション,実機実験の両方による検証を行い,良好な結果が得られた。
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