2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17760236
|
Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
服部 知美 静岡理工科大学, 理工学部, 助手 (70350907)
|
Keywords | 永久磁石型同期モータ / 脈動トルク / 振動抑制 / フーリエ変換 / 繰返し制御 / 加速度センサ |
Research Abstract |
近年,産業用機器や民生用機器では,保守性・制御性・耐環境性に優れ,比較的効率の良い永久磁石型同期モータ(PMSM)を多数使用している。しかしながら,PMSMが可変速モータとして用いられる場合,モータ構造上の問題やその駆動システムの不完全性により脈動トルク(回転むら)が発生し,振動,騒音の発生や機械系の劣化の原因となる。そのため,脈動トルクに起因するモータ振動対策は必要不可欠であり,多くの機関で対策手法が研究されている。 脈動トルクに起因する振動は,原理的にはモータの入力電圧あるいは入力電流に,脈動トルクを打ち消すための補償信号を加えれば抑制できることが知られているが,補償信号をどのように獲得するかが重要である。モータ構造の解析やモータの起電力から間接的に補償信号を求める手法も報告されているが,あくまでも近似的でしかなく,十分なトルク脈動補償を行うには,さらなる微調整が必要となる。本研究で検討する手法は,個々のモータに対してモータが実装されている状態で,モータフレームに加速度センサを取り付けるだけで,高精度な補償信号の獲得が可能であり,他の研究機関での解析的な手法とは異なり微調整の必要がない。 平成17年度の研究では,実験用に製作したモータ駆動システムにおいて,機械系の振動をフィードフォワード補償信号によって抑制する制御系を基本として,それに用いる補償信号をフーリエ変換,繰返し制御を用いて自動学習するシステムを構築することを目的とした。平成18年3月までに,PMSMの一種であるステッピングモータを制御対象とした振動抑制システムを構築し,その有効性の確認を本補助金で購入したFFTアナライザにより行った。平成18年度は,より有効な振動抑制システムの構築をめざし,改良をする予定である。
|