2005 Fiscal Year Annual Research Report
新しい瞬時空間ベクトルインバータの制御法を用いた高性能誘導機サーボシステムの開発
Project/Area Number |
17760239
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
上町 俊幸 仙台電波工業高等専門学校, 助教授 (50280334)
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Keywords | 誘導電動機 / 瞬時空間ベクトルインバータ |
Research Abstract |
本研究では,制御遅れ時間の短い瞬時空間ベクトルインバータのスイッチング制御法を提案し,誘導電動機サーボシステムの電流応答の改善を行っている。今年度は,計算機シミュレーションにより,提案法の有効性の検証を行った。また,DSP(Digital Signal Processor)を用いて制御システムを構築し,実験による検証も行った。シミュレーションおよび実験による検証の結果,以下の成果が得られた。 1.DSPのソフトウェア上に瞬時空間ベクトルインバータを用いたサーボシステムを構築したところ,従来のスイッチング制御法の制御遅れ時間が103[μs]であったのに対し,提案するスイッチング制御法を用いたことにより,制御遅れ時間が30[μs]に短縮された。 2.制御遅れ時間が大きい従来の制御法では,電流制御帯域ω_cを7000[rad/s]以上にすると,定常状態でも電流リプルが非常に大きくなり,制御ができない状態となった。これに対し,提案する制御法では,制御遅れ時間が短縮されたことにより,ω_cを11000[rad/s]以上としても定常状態での電流リプルが非常に小さく,安定した良好な制御特性が得られることを,実験およびシミュレーションにより確認した。 3.制御遅れ時間が大きい従来の制御法では,電流制御帯域のω_cを5000[rad/s]以上にすると,定常状態において安定した電流応答が得られるものの,過渡時に振動的となり,高速な追従性が得られなかった。これに対し,提案する制御法では,ω_cを7000[rad/s]以上としてもオーバーシュートのない良好な電流応答が得られ,電涜が指令値に,高速に追従することを実験およびシミュレーションにより確認した。
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