2006 Fiscal Year Annual Research Report
有機薄膜電界効果トランジスタ界面への自己組識化単分子膜による変調と静電特性
Project/Area Number |
17760244
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 慎一郎 東北大学, 電気通信研究所, 研究員 (20361173)
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Keywords | 有機分子 / 非線形誘電率顕微鏡 / 静電容量 / 界面 |
Research Abstract |
平成18年度は、有機材料の持っている本来の誘電特性を評価すために、超高真空中で簡易に有機材料を蒸着できる簡易蒸着装置の開発・立ち上げおよび同一真空下で静電容量特性を高感度に評価できる非接触型非線形誘電率顕微鏡の開発・立ち上げを行った。この評価装置は新型の高感度静電容量評価装置で分子・原子レベルで静電容量を評価可能である。さらに分子構造による電荷の偏りの性質から有機分子の永久電気双極子モーメントの向き・大きさを同定できる。そのため単一の有機分子での静電容量特性およびさまざまな界面上に有機分子を置いたときの全体の静電容量や誘電特性の評価が出来つつある。実際に、標準的な界面状態であるsi(111)7x7上にフラーレン(C60)単一分子を付けた状態で非接触型非線形誘電率顕微鏡を用いてフラーレンが本来持っている誘電特性の評価が出来始めており有機分子の電子状態や界面状態が評価可能になると思われる。これを基礎に様々な界面で発生しうる静電容量特性も評価し始めており、実際のデバイスの有する界面の静電特性評価、デバイス特性と有機分子の持つ静電特性との関係も明らかできると思われる。また、有機半導体・絶縁体-金属ダイオードにおける静電容量の解析法の確立も行っており、いま行っており非線形誘電率顕微鏡の解釈やデバイス界面の定量的な評価も行っている。特にMOSFETにおける静電容量の評価を基に有機半導体の抵抗・静電容量の効果を取り入れて、等価回路を構築し測定に及ぼす影響を踏査中である。これを基本に界面変調した場合の静電容量も評価し、トラップなどの違いが静電容量に影響を及ぼしており可能性を明らかにしている。
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