2005 Fiscal Year Annual Research Report
テラヘルツ反射分光法による炭化珪素半導体の電気的特性の非破壊マッピング測定
Project/Area Number |
17760247
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
土方 泰斗 埼玉大学, 工学部, 助手 (70322021)
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Keywords | テラヘルツ / 赤外材料・素子 / デバイス設計・製造プロセス / 低消費電力・高エネルギー密度 / モニタリング / 超精密計測 |
Research Abstract |
炭化珪素(SiC)等のワイドギャップ半導体は,現状では高品質なバルク基板が得られていないため,電子デバイスは通常,バルクウェハ上に成長した厚さ数ミクロン程のエピタキシャル膜を用いて作製する.従って,光を用いた非接触・非破壊物性測定を行うには,バルク基板とエピタキシャル膜の情報を分離する解析手法が必要となる. 代表者らはこれまで,SiCバルク基板やイオン注入層の電気的特性を,赤外反射分光法を用いて求める手法を開発し,キャリア濃度,移動度,イオン注入層の膜厚・ダメージ体積分率等の値が定量的に求まることを示した.本研究において,冒頭の問題を克服するため、エピタキシャル層両端における多重反射によって生じる干渉スペクトル振動に着目した.すなわち,その干渉振動の周期はエピタキシャル層の膜厚に依存し,振幅・位相はエピタキシャル層とバルク基板層の複素誘電率差に依存するため,カーブフィッティングを用いて解析すれば,エピタキシャル層の膜厚及び両層のキャリア濃度・移動度が一挙に求められると考えた. 本手法により得られたエピタキシャル層の膜厚を断面SEM画像で,エピタキシャル層及びバルク基板層のキャリア濃度・移動度をホール測定で求めた値と比較することで,本手法の妥当性を検証した.なお,ホール測定の際にバルク基板層に対する電流流入を防ぐため,今回新たにバルク基板層とエピタキシャル層の伝導型を変えてpn接合を形成させた試料を作製した.全ての測定データを比較検討した結果,サブテラヘルツ波(遠赤外線)領域までのスペクトルが得られれば,これらの物性値は極めて正確に求められることがわかった.
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