2006 Fiscal Year Annual Research Report
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17760251
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 剛志 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助手 (50303665)
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Keywords | スピン注入 / 熱磁気記録 / フェリ磁性 / アモルファス合金 / ジュール熱 / 微細加工 / 高速磁化反転 / 臨界電流密度 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き,極短パルスレーザーによるGdFeCoアモルファス合金膜の磁気ダイナミクス計測,TbFeアモルファス合金を用いた磁気トンネル素子の試作,CoFeB系スピン注入素子の作製とスピン注入磁化反転の確認を行った. (1)1psecのパルス幅の極短パルスファイバレーザー光源を用いた偏光解析装置を作製し,GdFeCo膜の磁気ダイナミクス計測を行った.観測試料はSiN(150nm)/GdFeCo(30nm)/CuAl(100nm)を熱酸化膜付きSi基板上に成膜したものでGdFeCoの組成を変化させた.1.5mJ/cm^2以上のポンプ光を試料に照射することで1psec程度の時間領域で磁化が減少し,その後歳差運動を行いながら緩和していく過程を分解能1psec程度で観測することができた.歳差運動周期は磁場の増大に伴い減少し,緩和定数は磁気補償点近傍で大きくなる結果を得た. (2)Tb_<17>Fe_<83>(20nn)/CoFeB(1nm)/Al-O(1.6nm)/CoFeB(1nm)/Tb_<13>Fe_<87>(20nm)をマグネトロンスパッタリング法により作製し,光リソグラフィーとArイオンエッチングにより磁気トンネル接合に微細加工した.Al層の酸化条件を最適化することで,10μm^2程度の素子で約12%の磁気抵抗変化を得た.現在CoFeB層とTbFe層との交換結合が不十分であるため,今後これを改選することで,大きな磁気抵抗変化が期待される. (3)Ta(5nm)/Cu(5nm)/CoFeB(1.8nm)/Cu(6nm)/CoFeB(10nm)/MnIr(20nm)/CuAl(100nm)/Ta(5nm)を作製し,電子ビーム露光,ECRプラズマによるArイオンエッチングにより140nmx210nm程度の面積のスピン注入用微細加工素子を作製した.パルス幅100msecの電流パルスを印加し、印加後の抵抗値を測定した結果、19mA程度で反平行磁化状態から平行磁化状態に遷移した.見積もられる臨界電流密度はJc=6x10^7Alcm^2となり、過去の報告とおおむね一致した.
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Research Products
(6 results)