2006 Fiscal Year Annual Research Report
高ショットキー極薄バリア超高速トランジスタ材料の開発
Project/Area Number |
17760253
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
北田 貴弘 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 助教授 (90283738)
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Keywords | 分子線エピタキシー / 超高速トランジスタ / 高電子移動度トランジスタ / 超平坦界面 / (411)A InP基板 / 極薄膜 / 高ショットキー / Si表面偏析 |
Research Abstract |
インジウム燐をベースとするナノゲートHEMT(高電子移動度トランジスタ)の更なる高速化に向け、分子線エピタキシー(MBE)を用いた高ショットキー極薄バリア超高速HEMT材料の開発を進めている。(411)A InP基板を用いることによりヘテロ界面の凹凸を小さくでき【(411)A超平坦界面】、またキャリア供給層であるSiシートドープ層を低温でMBE成長することによりSiドーパントの表面偏析効果を抑制することができるため、極薄膜化した(411)A InP系HEMT構造では高い2次元電子濃度、移動度が実現できる。しかし、エピタキシャル膜構造を極薄化した場合には、ショットキー特性の劣化が問題となる。本年度は、高ショットキーバリア層としてAlAs膜を挿入したHEMT構造を(411)A InP基板上にMBE成長し、極薄膜化した構造において良好なショットキー特性を得ることに成功した。表面側のバリア層全体の厚さを6nmとし、中央にAlAs高ショットキーバリア層を1,2,3nm挿入したInGaAs/InAlAs HEMT構造を作製したところ、77Kにおける電子移動度は、AlAs層を挿入しないものと同程度の値を示した。室温におけるショットキー特性を評価したところ、AlAs層を2nm挿入した試料の逆バイアス時の漏れ電流は、AlAsを挿入していない試料に比較して約2桁小さな値を得ることができた。(411)A超平坦界面を有するInP系極薄HEMT構造においては、厚さ2nmの高ショットキーAlAs層を挿入することで、高い電子移動度を実現しつつ、かつ良好なショットキー特性を得ることができる。
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