2005 Fiscal Year Annual Research Report
新しい集積化法による高速・高密度磁束量子回路のニューロ演算への応用
Project/Area Number |
17760270
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野美 武 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (70312676)
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Keywords | 超伝導 / 磁束量子 / ジョセフソン接合 / ニューロ / 集積回路 |
Research Abstract |
磁束量子(SFQ)回路の新しい集積化手法と微細化による高臨界電流密度Nb/AlOx/Nbジョセフソン接合を利用した、高速・高密度SFQ回路のニューロ演算回路への応用を目指して研究を行った。特に本年度は、集積化プロセスの基礎実験とストカスティックニューロ回路の設計・数値解析の研究を実施した。集積化プロセスでは、0.8〜1μm角程度のジョセフソン接合の集積化を目的として、i-線ステッパの使用を前提にした集積プロセスの開発と、磁束量子パルスの伝送にNb_20_5絶縁層を利用したマイクロストリップライン伝送を利用した配線幅の縮小化と配線の多層化を行うための基礎的実験を行った。これらの回路の設計とCADによるテストパターンの設計を行った。回路の試作は現在継続中であり、次年度に引き継ぐ予定である。一方、ニューロ演算システムとして応用する回路方式としてストカスティック論理によるニューロ回路の設計と数値解析を行った。ストカスティックニューロン回路の構成に必要な乱数生成回路、比較器、アップダウンカウンタなどの基本演算ブロックの設計を8-bitの精度で行い、その基本動作を数値シミュレーションにより明らかにした。これらの演算ブロックを接続したストカスティックニューロ演算システムは3400個のジョセフソン接合で実現可能である。回路スピードは16-bitのアップダウンカウンターの速度により制限され、通常のジョセフソン接合臨界電流値(2.5kA/cm^2)においては3.89GHzであると見積もられた。これらのストカスティック論理を用いたニューロシステムの提案と数値解析により得られた一部の結果は論文誌に掲載された。
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